今日は月曜日。でもアメリカは基本的に休日。いわゆる
マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの日。って、この人誰?って言う人のためにWikipediaへリンク張っといたから、そこにある記事を読んでください。
でも、それを読むのもめんどくさい、って人のために。この人は1960年代にアメリカ黒人に対する人種差別撤廃を目指し、黒人の公民権運動を指導した黒人の牧師さんであります。1960年代、それほど遠くない過去の話であります。
で、せっかくだからこの期にアメリカの歴史を少しだけ復習しましょう。
まず、アメリカには15世紀ごろから、アフリカの黒人が奴隷として連れてこられました。主な理由は、大規模農場を運営するために、多くの労働力が必要だったからであります。
それは19世紀に入ってもさらに続きました。そして1860年ごろ(日本では江戸末期)、奴隷をめぐって内部対立が起こります。って、別に奴隷の取り合いが起こったわけではありません。
18世紀の終わりごろから、主にアメリカの北側にある州は工業化が進み、奴隷は不必要になっていきます。そして、そもそも「奴隷」というもの事態がアメリカ合衆国憲法の理念と矛盾するのは明白なこと、といったような理念的な理由もあいまって、奴隷制度廃止運動が活発となり、これらの州では奴隷制度が次々と廃止されていきました。
それに対し、主に南側の州では経済の大半は大規模農場に支えられており、奴隷は極めて重要な労働力でありました。
で、このような背景から1860年ごろに「奴隷存続」を主張する南側の州が合衆国脱退を宣言し、アメリカ連合国(Confederate States of America)と呼ばれている国をつくります。
でも、それまであった国の一部が別の国を宣言してただで済む訳はなく、当然のごとく戦争が起こります。これが「南北戦争」であります。奴隷制度の廃止か存続かをめぐる、アメリカ合衆国(北軍)とアメリカ連合国(南軍)の戦争です。
『風と共に去りぬ』とか『若草物語』というのはこの南北戦争を舞台にした小説であります。
そして、4年間の戦争の末、北軍は勝利し、アメリカ連合国は消えてなくなり、奴隷制も廃止されました。
ちなみに、北軍を指揮した大統領があのリンカーン大統領で、あの有名な「人民の人民による人民のための政治」ってやつはこの南北戦争中の演説(ゲティスバーグ演説)の一部であります。
とにもかくにもそんな訳で、アメリカは一つにもどり、奴隷制も廃止され一段落。
そして黒人達は奴隷の身から解放されたのでありました。
といっても、それは奴隷ではなくなった、というだけで、別に差別が無くなった訳でもなんでもありませんでした。
選挙権のようなものが無いのはもちろんのこと、公共のものは基本的にすべてが白人と別に扱われていたのでした。有名なところでは、公衆トイレとかバスや学校。もちろん、プロ野球にも黒人リーグがあった。(ただ現代人の感覚からすると、なんか黒人リーグの方が野球のレベルは高そうな気もするが。)
とにかくこういう時代が奴隷解放後も100年ほど続いたのでありました。
そして、1960年代。このような状況を打破すべく立ち上がったのが、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアでありました。
そしてそれから半世紀もたたない明日。いよいよ初の黒人大統領が誕生します。
でも、黒人大統領と言ってもあの方、半分は白人だし、父親もいわゆる奴隷の子孫ではなく最近になってからのアフリカからの移民だし。
まぁ、それでもほんの約150年ほど前まで黒人は奴隷でしかなかったこの国の事情を考えると、大変な歴史的瞬間であることにはには変わりはないのであります。
就任式は明日、お昼の12時、首都のワシントンで行われます。ちなみに、私と親しい数学科の教授の一人はこの就任式をその目で見届けるために、ワシントンへ出かけて行きました。
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