2010年10月29日金曜日

日米大学比較~学期中の宿題

前回の日米大学比較第一回目では、授業時間の違いについて書いたが、今回は、学期中に出される授業での宿題について。

ちなみに、前回と同様、今回も通常の講義中心の授業での宿題についてであって、実験とかゼミとかといった特殊な形態の授業ではないので、ご注意を。

また、ここで言う宿題とは、学期末とかに提出する(期末試験代わりの)レポートのようなものを指すのではなく、学期中に定期的に出される宿題のことを指します。


日本の場合

まず、日本の場合から。日本の大学では通常の授業では宿題が出されることは、ほぼ皆無に近い。たまに、ちょっとしたレポート提出みたいのがあるけど、かなり軽め。数学や物理のような科目でも、まぁ、ちょっと演習問題を解いてそれを提出するぐらいのが、多くてもせいぜい隔週であるぐらい。

でも、宿題なんて全く無いのが基本。

基本的に日本では、教授が講義をして、それが学期の初めから終わりまで続くだけ。学生に要求されるのは、基本的に授業に出席して、ノートを取ることぐらい。

そんな感じだから、前回に書いた1コマ90分の授業を1日に2~4コマぐらい月曜から金曜まで合計10~18コマぐらい履修する感じになる。



アメリカの場合

日本とは異なりアメリカではこの宿題が授業のメインとなる。

アメリカではほぼ全ての授業において、毎週宿題が出される。これは、授業のレベルにほぼ関係なく、また、学部レベルだけでなく大学院レベルにおいても、同様。さらに上のレベルに行けば行くほどに、宿題の量と質ともに、どんどんキツクなってくる。

具体的には、数学のような科目であれば、教科書の章末問題のようなものから問題がピックアップされ、宿題として出されることになる。一番典型的なパターンは、毎週一回授業の初めとかに宿題を提出する事になる。

もちろん、場合によっては、毎回宿題を提出しなければいけない授業もある。つまり、週三回、月水金の授業なら、週三のペースで宿題を提出しなければならない。これは結構きつい。って、私が今学期受け持っている線形代数の授業では、毎回宿題提出にしているけどw。

でも、もちろんこれは数学の場合であって、他の科目の場合はどうかというと、例えば、コンピュータサイエンスのプログラミングの授業を履修したら、ほぼ毎週、何らかのプログラムを書いて提出しなければならなかったりする。

それ以外には、いわゆる、人文系や社会系の授業では、教科書や論文の類を読むことが中心となるため、「次の授業までに、教科書○○ページから××ページまで読んできなさい」的な感じの宿題が出される。このタイプの宿題を一般にreading assignmentと言ったりする。

また、reading assignmentだけでなく「読んだ内容をレポート数ページ以内にまとめたもの提出しなさい」的な感じの、いわゆるwriting assignmentも出されることがある。


まぁ、教科によって、また同じ教科の中でも、各授業によって内容や量にある程度のバラツキはあるものの、アメリカの大学では基本的にこの宿題に追われるだけの日々が永遠と続くことになる。

基本的に前回説明した一週間に150分の授業であれば、大体授業時間の2~3倍の時間を宿題に費やすことが要求される。つまり、各授業あたり一週間に5~8時間ぐらい。

そんな理由により、アメリカでは学部の場合、毎学期せいぜい履修する授業数は4~5コマぐらいに限られてる。実際、講義の時間が150分で、仮に宿題に8時間(480分)必要だとしたら、授業一つに対して講義の時間と合わせて合計630分(10時間半)という計算になる。もしそれで授業5コマ履修したら、全部で52時間半ってことになる。つまり土日も休まず勉強しても毎日7時間以上は勉強の時間ってこと。

そう、アメリカの大学は皆そんな感じの日々を送る事になるのだ。

で、これは基本的に学部の場合であって、これが大学院になると、さらに過酷さを極める事になるのだが、大学院の事は、また別の機会に書くことにする。

まぁ、そんな訳で、各学期、履修する授業の数自体は日本よりも少ないが、授業外でやらされること(宿題)がやたら沢山あり、それがメインになるのがアメリカの大学である。




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2010年10月21日木曜日

日米大学比較~授業時間

昨日、予告したように日米大学比較を始めます。第一回目は軽め(?)に授業時間の日米比較。

ちなみにここで言う「授業」というのは、実験とかゼミとかのような特殊な形式の授業ではなく、普通の講義中心の授業のこと。



アメリカの場合

基本的にアメリカの場合、各授業時間は一週間に150分が一般的。一日に150分行う場合もるし、週二回で一回が75分の場合もあるし、週三回で一回が50分の場合もある。

週二回になった場合、一番多いのが火曜日と木曜日に一回ずつのパターン。たまに、月曜と水曜とか、水曜と金曜とかのパターンもあるけど、前者の方が圧倒的だと思う。

週三回の授業ではほぼ間違いなく、月水金に一回ずつのパターンになる。

週一回の場合は、どの曜日でも行われうるが、多くの場合途中で5~10分ぐらいの休みをが入るのが普通。でも、基本的にこの辺は担当教員の完全な気まぐれによって決定される。

ちなみに、数学の場合、週一回のパターンはほぼ皆無と言える。私も一度も経験したことがない。これは、数学という学問の性質上、週一回だけの授業は効率が悪いためと断言できる。数学は毎日少しずつ学んでいくタイプの科目であるため、学生の理解度という点で、最低でも週二回に分ける必要があるのだ。

それに対し、例えば、いわゆる人文系の学問は週一回だけのパターンも結構あったりする。これもやはり学問の性質上、それでも特に問題ない場合もあるからと思うわれる。

また、アメリカの場合、いわゆる通年の授業はほとんどなく、各授業は一学期間(休日とかも入れて約15週間)続き、週150分の授業だと3単位(3 credits)が与えられる。

また、数学の場合だと、学部の特に1,2年レベルの授業では、通常の講義に加えて、週50分間の演習の時間(recitation)が付いている場合がある。その場合、例えば月水金の講義なら、火曜日か木曜日に演習の時間があり、講義が火木だったら、月水金のどれかに演習の時間がある。基本的に(大学院のある大学であれば)この演習の時間は大学院生が担当する事になる。で、演習付きの授業の場合、4単位が与えられる。



日本の場合

日本の場合、分野に関係なく、ほぼ全ての授業が一週間に一回90分行われる。

私自身、日本の大学は一つの大学しか経験していないのではあるが、この辺はかなりかなり統一されているように思える。(っていうか、そうじゃないパターンを知っている人は教えてください。)

でも、数学や物理などの授業では、やはり演習の授業が付いている場合もある。その場合、隔週で50分の演習が行われるようである。というか私の場合はそうだった。ただ、この辺の細かいところは、私自身、日本の大学での経験がそれほど多くないため、どこまで一般化出来るのかは不明ではあるが。

ちなみに、日本だと半年間で終わる授業もあれば、通年の場合もある。半年間のものだと、各授業2単位。演習が付くと3単位。通年だと4単位。この理屈たど、演習付き通年の授業だと6単位という計算になる。

ちなみに、以前、ドイツ人の友人とこの授業時間について話をしたことがあるのだが、ドイツの大学では、この点では基本的に日本と同じようなシステムらしい。日本はドイツの制度を真似たから?




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2010年10月20日水曜日

日米大学比較~予告編

結構、くだらないことが多い「大学教員」のブログではあるが、これからは少しぐらいは役に立つような事も書いていこうと最近思い始めた。

で、とりあえず、これから少しずつではあるが日本とアメリカにおける大学、特に学部教育の違いについて「日米大学比較」と題して、書いていこうと思う。

私は、学部は日本で卒業し、その後、大学院生としてアメリカに渡ってきたのではあるが、アメリカに来た当初は、書類上は大学院生ではあったものの、実際は学部生のような状態で、学部レベルの授業も色々履修した経験がある。

そして何よりも、現在はアメリカの大学で基本的に学部生向けの授業を教えている。

そんな私のような者のみが、日米の学部教育の違いについて本当に語れる資格があるように思える。

そして、私は常々「やはりアメリカと日本とでは、学部教育という点においては、もはやアメリカの方が断然優れていると言わざるを得ない」と思っている。

そんな訳で、これから、日米大学比較シリーズを始めたいと思う。

と言っても、書く内容の多くは、日本とアメリカの両方の大学(学部レベル)を経験した事のある人には「何をいまさら」的なものになるのもまた事実ではあるが。



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2010年10月12日火曜日

数学者の平凡な一日~授業の無い日~

昨日(月曜日)と今日(火曜日)は秋休み(fall break)で大学は休みだった。と言っても、今学期は火曜日は授業が無い日だから、毎週休みみたいなものだけど。

という訳で、久しぶりに、数学者の平凡な一日。


10:00~11:20 10時起床。相変わらず朝は遅い。今学期も授業が全部午後からだから、生活パターンもそれに合わせた感じになる。朝起きて、コーヒーとシリアルで軽い朝食の後、シャワーを浴びたいつもの朝。

11:30~12:00 今日は歯列矯正の定期的な調整日だったので、歯医者へ。30分ほどで終了。

12:00~1:00  昼食。以前紹介した面白い名前の日本食レストランでランチメニューを食べた。

1:00~4:00  近くのスタバで仕事、って要するに数学の研究。数学って基本的に場所を選ばず研究や勉強で出来ることが素晴らしいと思う。

4:00~4:30 いい加減、疲れたから、この辺りでスタバから撤退。スパーでちょっと買い物して、アパートに戻った。

4:30~5:00 メールチェックしたり、ちょっとネットで調べ物したり。

5:00~5:30  ちょっと眠くなったから昼寝。

5:30~7:00  コーヒー飲みながら再び研究の時間。

7:00~8:00  夕食。適当に作って食べた。

8:00~9:00  いくつか重要な(?)メールを書いたり、ネットを徘徊したり。とある有名な数学者にちょっとしたメールを送った。

9:00~11:00  再び数学の時間。今度は研究というよりは勉強の時間。数学者は(そのうち気が向いたら詳しく書こうと思うけど)研究だけでなく、新しいことも勉強していかなければいけない物。今やってる研究とは直接関係のない事だけど、論文(のようなもの)を読んだ。

11:00~11:30 11時のニュースを見た。ちょうどのタイミングでチリの鉱山で生き埋めになってしまった人の救出シーンが流れた。

11:30~12:00  そのままだらだらとテレビをみたり、ネットを徘徊したり、歯を磨いたり。

12:00~1:00 明日の授業の準備。その他の雑用(皿洗いとか)。

1:00 今現在。これをアップした後、多分ベットに入ってから、再びさっきまで読んでた論文を読み続ける予定。



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2010年10月6日水曜日

ノーベル賞

私のいるPurdue大学の日本人教授、根岸英一さんがノーベル化学賞を受賞した。ってそんなこと言われなくでも知ってる?

しかもこの人、大学院は私と同じペンシルバニア大学。って、私とは何の関係もない人だけど、ちょっとだけ親近感。

ちなみに、テレビのローカルニュースに出てた、根岸さん。






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2010年10月3日日曜日

マリナーズはなぜ弱い?~私の答え~

今日、マリナーズの最終戦が終了した。

我らがイチロー選手も2安打を放ち、相変わらずの様子である。ちなみに、これで5年連続の両リーグ最多安打が決定したらしく、5年連続はメジャー新記録らしい。この記録はあまり注目されてない感じだけど。

そんなイチローを傭するシアトル・マリナーズの成績はと言うと、ア・リーグぶっちぎりの最下位。でもそれって、今シーズンに始まったことではなく、イチローが入団した2001年にリーズ優勝を果たし、イチローがMVPに輝いて以来、優勝はもちろん、優勝争いすら経験していない。最近では唯一2007年に何とか地区2位になった程度である。


そこで誰もが思う素朴な疑問。



「マリナーズはなぜ弱い?」



私はその答えを知っている(つもり)。


でもその前に一応グーグル先生にもちょっとだけ聞いてみた。が、なんとグーグル先生もその本当の答えをお分かりになっていらっしゃらないらしい。


という訳で、私の知っている答え。マリナーズはなぜ弱い?それは




イチローがいるから




に決まってるでしょう。


え?これってどういうこと?って思ったそこのお兄さん、お姉さんのために、アメリカにおける球団運営の大きな特色を一つ説明します。


アメリカでは、プロ野球チームは、ヤンキースやレッドソックスのような全国区の人気チームを覗いて、基本的には

「地域密着型」

であるということ。

例えば、日本で野球観戦に行くと、お決まりのように、ホームチームのファンはライトスタンドに、そしてビジター側はレフトスタンドに陣取り、応援合戦が行われる。

が、アメリカで実際に球場に足を運んでみると分かるが、(ビジターチームがヤンキースやレッドソックスの場合を除き)球場全体がホームチームのファンで埋め尽くされるのだ。

アメリカの国土の広さがそうさせるのだが、基本的に各チームのホーム球場が地理的に隔離されているためである。各チームのファンが別のチームの球場に応援に行くことすら物理的に不可能だったりするのだ。

例えばニューヨークのような大都市であったって、野球チームはナ・リーグとア・リーグに各一球団。それ以外に最寄りの球団となると、約160キロ離れたところにあるフィラデルフィア・フィリーズぐらい。

そんな「地域密着型」のメジャーリーグにおいては、球団運営というのは比較的簡単で、チームがそれほど強くなくても観客数をある程度確保できるのである。

ちなみに、日本でも現在では、日ハムや楽天などはこの「地域密着型」の経営を行っているのでなんとなく日本人にもこの感覚は分かるとは思うのだが。

そしてこれは良く聞く事だが、アメリカでは球団経営者にとってbaseballは結局は「国技」ではなく「ビジネスの手段」でしかないという事実がある。

野球のルールすら満足に知らないような人間がオーナーになることだってあるぐらいだ。(これは実際にあった話。)


とにかく、ホーム球場で試合をすれば、その地域のお客さんはある程度来てくれる状況下で、無理に戦力補強をしてチームを強くし優勝させようなんて考えるオーナーなんて、この前死んでくれた他界された故スタインブレナーぐらいなのである。

まぁ、地域の人達に見捨てられないぐらいにそこそこチームが勝ってくれればそれで十分なのである。


さて、そのことを頭の中に入れてマリナーズを考えてみよう。


まず、マリナーズのあるワシントン州シアトルを地図で見れば分かると思うが、そこはかなり孤立した地域にある。ワシントン州と隣り合う州のオレゴン州、アイダホ州、モンタナ州なんか野球チームなんて一つもない。さらにそれらに隣り合う州だって、野球チームがあるのはカリフォルニア州ぐらい。それも、一番近くてもサンフランシスコにあるジャイアンツとその隣町オークランドにあるアスレチックスだけ。シアトルからの距離は実に約1000キロ。


そう、マリナーズは地域密着型のメジャーにおいても、どの球団にもましてその傾向が強い球団なのである。



でも、いくらなんでも、チームがぶっちぎりで弱かったら、さすがに客も来なくなるのが普通。



そこで、登場するのがイチローである。



いくらチームが弱くったって、イチローが打ち続け、記録を重ねてくれれば、十分な観客動員数を確保できるのである。

そして、さらにその上にイチローのおかげで日本企業がスポンサーにもなってくれる。

しかも多くの観客が注目するのはイチローのシーズン安打数。最終戦までず~っと注目されるのである。チームにとっては消化試合だろうが、ファンは球場に足を運ぶのである。

ボテボテの内野ゴロを打っても、全力で走り、一塁でセーフになる。そんなイチローの姿を見るだけでシアトルのお客さんは大満足。



そんなイチローという「ドル箱」がある以上、マリナーズの経営陣はわざわざ戦力補強などする必要もないのである。



そう、イチローがいる以上、マリナーズは強くならないのである。強くする必要が無いから。




そして、マリナーズが再び強くなる時。それはイチローが一塁まで全力疾走出来なくなった時であると断言しておく。イチローの年齢を考えると、それほど遠くない未来に訪れるかも。


「イチローが打てなくなって、マリナーズが強くなった」


って近い将来言われるかも知れないから、私は今ここにその事を予言しておくことにする。




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2010年10月2日土曜日

今日の昼飯

昨日、韓国人の友人から手作りキムチをもらった。

だから今日の昼飯はキムチかけご飯。


普通のキムチよりもちょっとだけ辛さ控えめな感じで、辛いものにあまり強くない私にはちょうどいい感じだった。



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