2010年2月15日月曜日

数学者への道~その2

前回の数学者への道の続き、というか補足。

基本的に数学者になるには


学部→大学院→ポスドク→Tenure Track→Tenure


といった経路をたどるが、アメリカの場合、最後のTenure Track→Tenure以外では次の段階に進む際に基本的に大学を変え無ければならない、という慣わしがある。

この辺は日本などと比べるとかなり異なっている点に思える。

つまり、学部、大学院、ポスドク、そしてTenure Trackと同じ大学に残ることが基本的には許されてないのだ。

別に法律や協定のようなもので決まってる訳ではないのだが、ある種の不文律のようなもので、かなり徹底しているように思える。

例えば、ハーバードでは学部を卒業してそのままハーバードの大学院に入ることが出来るのはその年のトップの学生たった一名のみで、それ以外(つまりほとんど全ての学生)は他の大学院に進むように決められている。

また、私の出たUpennではPh.DをUpennで取った後、そのままポスドクとして残ることは許されていなかった。

そんな理由により、多くの場合はTenure Trackのポジションを得る大学が最低でも4校目ということになる。

もし、学部→大学院→ポスドク→Tenure Trackの四段階の中で、同じ大学で2段階やったって人がいたら、かなりレアなパターンと言っていいと思う。

例えば、Purdueの教授の一人で、ポスドクをPurdueでやって、そのままPurdueでTenure Trackのポジションを得て、現在Professorをやっている人が一人いるのだが、その教授にどういう経緯でそうなったかを聞いてみたら、やはりいくつかの偶然が重なって、普通起こり得ないことが起こっただけだったとのこと。

そんな訳で、私もよほどの偶然が無い限り、今のポジションの契約が切れたら、Purdueを去ることになる。つまり、Purdueにいるのは、遅くても来年の夏まで、ってことになる。




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7 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

こんばんは。すみれです。

厳しいのですね Tenured professor になるのは、

主人が Tenured Professor なので、身近にかんじていましたが、そうではないのですね。

Willy さんのコメント...

アメリカのような層の厚みがあるからこそできるシステムとも言えますね。日本ももうちょっと人材の流動性が高まった方が良いとは思いますが、アメリカほど徹底するのは難しいでしょうし、逆にやりすぎると優秀な人材同士の交流が不十分になって非効率になるような気がします。

MNT さんのコメント...

はじめまして。asと申します。

僕も数学者に憧れていて、アメリカで活躍されている
あなたをとても尊敬します。

聞きたいことがあります。
浪人しても数学者にはなれますか?
数学は人一倍好きな自信はありますが、
学校の先生は食ってくなら現役、と言っていました。

愚問ですがアドバイスもらいたいです。
お願いします。

謎の数学者 さんのコメント...

asさん。

別に浪人なんて気にしなくても構わないのでは?

そもそも「浪人」なんて概念があるのは日本(と韓国)ぐらいですし、ましてや、大学受験の数学なんかで数学者の素質なんてとても図れるようなものではないですよ。

MNT さんのコメント...

遅ればせながら返答ありがとうございます。

なるほど。あまり一般的な概念ではないんですね。

でも頭が良いうちにきちんと勉強したほうがいい気もします、
もし独習するとしたら、どのような勉強をすればいいのでしょうか。もちろん数学に関して。
大学初年級で習うようなことならどの本でもいいからきちんとやったほうがいいのでしょうか。


個人的な質問ばかりでごめんなさい。

謎の数学者 さんのコメント...

MNTさん、こんにちは。

数学の勉強は、基本的に教科書を一本に絞って完璧に読みこなすような方法が良いと思います。

同じものを何回も何回も読んで、完全に身につけるようにしてください。

MNT さんのコメント...

わかりました。
何度もお返事いただいてありがとうございました。頑張ります。