2010年11月17日水曜日

日米大学比較~学年

まだまだ続く日米大学比較。今回は学年について。

日本においては大学だろうがどこだろうが、学年というのはとんでもなく重要なものである。学年が一つでも異なればそこには先輩・後輩という上下関係が生まれ、使う言葉はもちろん、基本的に人間関係の骨格をなすのは言うまでもない。そして、そのような上下関係を無視しようものなら、それはそれは大変なことになりかねない。

それに対しアメリカではそんな学年差による上下関係を基調とした人間関係など基本的に皆無で、学年なんて関係なく皆が対等な人間関係を送ることになる。

ちなみに、この違いが分かっていない日本人留学とかがたまにいたりして、アメリカに来てまでも先輩・後輩といった上下関係を持ち出してしまう人とかがいるのがだ、こういう日本人留学生を見かけるたびに「なんだかなぁ~」と思ったりもし、同じ日本人として恥ずかしくなったりもしてしまう。


って、そんな事が今回の内容なのではなく、実は日本とアメリカとでは、学年というものの意味が大学の制度の中で大きく異なるのだ。


そんな訳で、ここからが本題。


日本の場合

日本の大学において学年というのは、上に書いたような人間関係においてのみならず、制度のなかでも重要な役割を果たす。その最たるものが授業の履修である。基本的に学年によって履修できる授業が決められており、1年生用の授業、2年生用の授業、3年生用の授業、4年生用の授業、みたいな感じで、同じ学年の人同士が同じ授業を履修する。

そして、多くの大学で、各学年ごとに「進級条件」のようなものがあり、具体的には必須になるような授業や単位数のようなものを満たさなければならない。

そして、もしこのような進級条件を満たすことができなければ、同じ学年をもう一度やり直すことになる。これこそが「留年」である。

そして、一度留年してしまえば、それはその人の人生の汚点として一生付きまといかねないのだ。

例えば、就職の面接とかでも、留年した人には、必ずと言っていいほど「留年した理由は何か」といったような質問が浴びせられたりもする。


そんな感じで、日本においては「学年」と言うのはものすごく重要なものなのである。



アメリカの場合

おそらく辞書や表面をなでただけのような留学ガイドの類をみたら、アメリカの各学年に対する訳として

一年生・・・・Freshman
二年生・・・・Sophomore
三年生・・・・Junior
四年生・・・・Senior

とかって書いてあると思う。もちろん基本的には間違えではないのだが、アメリカの大学においては、このFreshmanとかSophomoreとかの分類というのは基本的には便宜上、修得した単位数に応じて付けられる呼び名のようなものに過ぎないのだ。例えば

Freshman・・・・0~29単位を修得した人
Sophomore・・・30~59単位
Junior・・・・・・・60~89単位
Senior・・・・・・・90単位以上

みたいな感じで(単位数に関しては前回初回を参照)。

そして、日本と大きく異なるのは、基本的にこの「学年」というのが授業履修においてはほとんど、何の意味も持たないことにある。つまり、Freshman用の授業、Sophomore用の授業、みたいな感じで授業が割り当てられるようなシステムにはなっていないのだ。

では、どうやって誰がどの授業を受けられるかが決まるのかと言えば、アメリカでは「prerequisite制」とでも呼べるようなシステムになっているのだが、このことに関しては、多分、次の次ぐらいに書くことにする。

とにかく、このような事情から、基本的に「留年」などという制度も概念も基本的に存在しないのである。

そう、アメリカの大学においてはFreshimanとかSophomoreとかいった「学年」は大した意味を持たないのだ。


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