一ヶ月ちょいぶりのブログです。
そして、一年ちょいぶりに日米大学比較シリーズ。
今回は「専攻分野の決め方」ということで、具体的に学生がどのように専攻分野を決めているのかについて書いてみることにする。
このシリーズで何度も書いているように、日米の大学制度の最大の相違点は
日本:基本的に入試の際に学部学科を決め、入学後の専攻分野の変更は困難
アメリカ:大学に入学して、色々な分野の授業を取りながら徐々に自分の専門を決定していく
という点に集約される。
このような制度の違いは当然各学生がどのように専門分野を決定するかという点にも大きな違いをもたらす。
アメリカの場合:
以下、私の実際に知る友人や知人が、どのような経緯で数学を専攻するに至ったかについて実例を書いてみる。私の専門が数学であるため、数学を専攻した人の例になっているが、まぁ、どの分野でも似たような例を見る事ができると思う。
友人A:元々は物理を専攻する予定だったのだが、実験の授業が嫌いで、実験の無い数学を専攻することにした。
知人B:初めは哲学を専攻していたのだが、ちょっとした興味本位で履修した代数の授業の先生が良い先生で、授業でも良い成績を取る事ができ、それをきっかけに数学の授業を取り初め、徐々に数学に専攻を変えていった。
友人C:物理と経済学の2重専攻をしていたのだが、どちらの分野でもいまいち良い先生に当たることがなかったのだが、数学の授業を取ったら、良い先生にめぐり合ったから、数学を専攻することにした。
友人D:コンピュータサイエンスを専攻していたのだが、なんかいまいち面白みを感じられず、当初は副専攻にするつもりだった数学の方が興味深く感じるようになり、数学を専攻することにした。
知人E:当初は工学を専攻する予定だったのだが、いまいち成績が振るわず、たまたま必修だった線形代数の授業で良い成績をとることができたから、数学に専攻を変えることにした。
友人F:元々は英文学を専攻していて成績も良好で特に不満はなかったのだが、就職口が無いといわれ、他人に薦められて履修した数学の授業が面白かったため、数学を本格的に専攻することにした。
と、まぁ、こんな感じの例は実はいくらでもあり、書き始めたらいくらでもかけてしまうので、この辺で止めておく。で、私の感じでは
「たまたま履修した授業でいい成績がとれた」
とか
「履修した授業を担当した先生が良い先生だったから」
といったような理由などが以外と多いように思える。
基本的に色々な授業を履修する中で、自分のフィーリングやテイストに合った分野を選んでいくアメリカ流を象徴しているようにも思える。
ちなみに上に上げた友人知人は全員数学でPh.Dを取得しており、その中には現在数学者として活躍している人たちもいる。
日本の場合:
やはり日本の場合ダントツで
「入試に合格したから」
というのが専攻分野を決める決定打になるのは言うまでもないだろう。
中には
「たまたま推薦入試枠があって、推薦がもらえたから」
というのもあるかもしれないが、まぁ、試験か推薦かの違いはあるが、本質的にはあまり変わらないように思える。
大学に入学する以前に専門分野を決めなければならない日本の制度。そして、さらに悪い事に入試という制度まである。そのような状況に中で、各学生が自分に合った分野や興味の持てる専攻を決める事など、そう簡単にできる事ではないというのは言うまでもない、といったところであろうか。
さらには、大学によっては各学科ごとに入学試験日が異なる場合も多く、
「○○大学なら学部や学科はどこでもいい」
的な発想で、日程が許される限り、同じ大学の異なる学部をとにかく受験しまくるような受験生も見受けられるほどである。
で、このような受験生を
「やりたい事も決まってないのに大学にいくのか?」
的な感じで、ある種、白眼視するような人もいたりする。
が、白眼視されるべきなのはこのような受験生ではなく、日本の大学の制度にある、と私は思っている。
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そして、一年ちょいぶりに日米大学比較シリーズ。
今回は「専攻分野の決め方」ということで、具体的に学生がどのように専攻分野を決めているのかについて書いてみることにする。
このシリーズで何度も書いているように、日米の大学制度の最大の相違点は
日本:基本的に入試の際に学部学科を決め、入学後の専攻分野の変更は困難
アメリカ:大学に入学して、色々な分野の授業を取りながら徐々に自分の専門を決定していく
という点に集約される。
このような制度の違いは当然各学生がどのように専門分野を決定するかという点にも大きな違いをもたらす。
アメリカの場合:
以下、私の実際に知る友人や知人が、どのような経緯で数学を専攻するに至ったかについて実例を書いてみる。私の専門が数学であるため、数学を専攻した人の例になっているが、まぁ、どの分野でも似たような例を見る事ができると思う。
友人A:元々は物理を専攻する予定だったのだが、実験の授業が嫌いで、実験の無い数学を専攻することにした。
知人B:初めは哲学を専攻していたのだが、ちょっとした興味本位で履修した代数の授業の先生が良い先生で、授業でも良い成績を取る事ができ、それをきっかけに数学の授業を取り初め、徐々に数学に専攻を変えていった。
友人C:物理と経済学の2重専攻をしていたのだが、どちらの分野でもいまいち良い先生に当たることがなかったのだが、数学の授業を取ったら、良い先生にめぐり合ったから、数学を専攻することにした。
友人D:コンピュータサイエンスを専攻していたのだが、なんかいまいち面白みを感じられず、当初は副専攻にするつもりだった数学の方が興味深く感じるようになり、数学を専攻することにした。
知人E:当初は工学を専攻する予定だったのだが、いまいち成績が振るわず、たまたま必修だった線形代数の授業で良い成績をとることができたから、数学に専攻を変えることにした。
友人F:元々は英文学を専攻していて成績も良好で特に不満はなかったのだが、就職口が無いといわれ、他人に薦められて履修した数学の授業が面白かったため、数学を本格的に専攻することにした。
と、まぁ、こんな感じの例は実はいくらでもあり、書き始めたらいくらでもかけてしまうので、この辺で止めておく。で、私の感じでは
「たまたま履修した授業でいい成績がとれた」
とか
「履修した授業を担当した先生が良い先生だったから」
といったような理由などが以外と多いように思える。
基本的に色々な授業を履修する中で、自分のフィーリングやテイストに合った分野を選んでいくアメリカ流を象徴しているようにも思える。
ちなみに上に上げた友人知人は全員数学でPh.Dを取得しており、その中には現在数学者として活躍している人たちもいる。
日本の場合:
やはり日本の場合ダントツで
「入試に合格したから」
というのが専攻分野を決める決定打になるのは言うまでもないだろう。
中には
「たまたま推薦入試枠があって、推薦がもらえたから」
というのもあるかもしれないが、まぁ、試験か推薦かの違いはあるが、本質的にはあまり変わらないように思える。
大学に入学する以前に専門分野を決めなければならない日本の制度。そして、さらに悪い事に入試という制度まである。そのような状況に中で、各学生が自分に合った分野や興味の持てる専攻を決める事など、そう簡単にできる事ではないというのは言うまでもない、といったところであろうか。
さらには、大学によっては各学科ごとに入学試験日が異なる場合も多く、
「○○大学なら学部や学科はどこでもいい」
的な発想で、日程が許される限り、同じ大学の異なる学部をとにかく受験しまくるような受験生も見受けられるほどである。
で、このような受験生を
「やりたい事も決まってないのに大学にいくのか?」
的な感じで、ある種、白眼視するような人もいたりする。
が、白眼視されるべきなのはこのような受験生ではなく、日本の大学の制度にある、と私は思っている。
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3 件のコメント:
ちょいと前の日本では、ってかなり前からかもしれないけど大学は学ぶために行く場所ではなくなってると思うんだよね。モチロン真面目に通っている人達もいるけど、結局就職に強い大学とやらを選びたくなっちゃうんじゃないかな。でも企業も政府も大学生自身も何しに大学に来たんだか考えていないのが本音かもしれない(^_^;)
僕の出た大学では入学してから一年半くらいは教養課程で、その後いくらでも転向が可能でした。
僕は小学生の時からコンピュータで生きていこうと固く決めていましたから変えませんでしたが、まわりには理科(数学科志望)で入っておきながら、教育学部の心理学科に転向した人もいましたよ。
また、僕の高校時代の級友に、京都の大学の理学部に行って、はじめは化学方面に進むつもりであったが、宇宙物理に進んだという人もいます。
ここまで書いておいてなんですが反例でしかないですね…
さらに、理系から文系へ変わることは多いけれども、文系から理系に代わるのは難しいようです。
匿名さん。
コメントありがとうございます。でも、返事遅れてすみません。
確かに日本でも専攻を変えることは「不可能ではない」かもしれませんが、アメリカと比較すると「ほぼ不可能」と言っていいと思います。
日本の大学で専攻を変えた人も「探せばいる」といった程度だと思います。
あと、文系から理系へ帰るのが難しいのは理系の方が学問の性質上「積み重ね」がより重要なところにあると思います。
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