2009年2月3日火曜日

論文完成

昨日、論文が一本完成した。
この論文、基本的な骨格になるところはすでに2年近く前に出来上がっていたのだが、色々な理由により完成するまで時間が掛かってしまった。で、先月のサンディエゴの出張の際、最後の詰めの部分を仕上げ、昨日やっと完成した。それなりの大作だと思う。

私の論文は

http://www.math.purdue.edu/~stakeda/research.html


で読めるから、興味があったら読んでみてくださいませ。一番上のが最新作。って、このブログを読んでる人で私の論文に興味がある人がいったい何人いるかは定かではないが.........。

ところで、数学者っていったいどのくらいのペースで論文を書いていくの?という人のために。

これってもちろん数学の中でも分野によって異なるのではあるが、いわゆる純粋数学の場合アメリカでは、まずPh.Dの論文、つまり博士論文が一番最初の論文になる。

数学以外の分野の人からすると結構驚くべきことなのかもしれないけど、基本的に純粋数学はそれが普通なのである。実際、私もそうだったし、現在著名な数学者であってもこのパターンの人が結構いる。

これは、おそらく数学という学問の性質上、まともな研究が出来るようになるまで、かなりの年月が掛かるから、というのが最大の理由である。つまり、数学はものすご~~~く積み重ねが必要な分野ってこと。

でも、数学の中でも分野によっては、あまり多くの積み重ねをしなくても済むような分野もあって、そいういう分野では大学院生(場合によっては学部生)でも論文を書き上げることはそれほど珍しいことでもないのではあるが。

ちなみに、私の研究分野は保型形式とか保型表現とかって呼ばれている分野で、純粋数学の中でもかなり積み重ねの必要な分野であるのだ。

さて、話を論文の数に戻すが、Ph.Dを取り終わった後、大体どのくらい論文を書くか?ってもちろんこれは人によるのがだ、アメリカで通常言われていることは、基本的に1年に一本ぐらいのペースで書いていかなければ数学者として生き残るのは難しいらしい。というか、これは私が大学院を卒業する時に、親しかった教授の一人から言われたこと。

でも、もちろん論文は単なる本数ではなく、各論文の「質」も重要。というかどちらかというとこっちの方が重要な気がする。実際、ほんの数本の論文で有名大学の教授になる人もいるし、かなり名の知れた数学者でも、意外と論文の数はそれほど多くない人だって結構いたりする。

ちなみに私がPh.Dを取ったのが2006年。で、今回の論文が6本目。まぁ、一応そこそこのペースで書けている気がする。で、これから1年半ぐらいの間に今回仕上がった論文と同じぐらいの質の論文があと2本ぐらい書ければ、数学者として生き残これる「安全圏」に入れるかなぁ~、って思ったりもしている。


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1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

論文完成おめでとう〜!!一応見たものの、よく解らん!ので今度詳しく教えておくんなまし。
色々一般人ではわからない数学者の世界…論文はどこに載るの?そして論文の質の高さ(とゆーか良さ?)kはどういう所で決まるの?秀ちゃんの研究している分野における積み重ねは論文も『続く』になるの?それって共同研究でも?

う〜ん、私からすると謎に満ちた世界…しかし秀ちゃんが数学者として成功する様祈ってるよ☆(^-^)/